生命活動

田植えと稲刈りを体験し、さらに人間を8つの系に分けて各器官・臓器の働きをひもときます。「全身の血管をつなぎ合わせると10万km(地球2周半)。血液はそれを約1分で一周し、全て一方向に流れる。まるで奇跡のよう」。身体の仕組みを理解すれば、感動がわき起こります。同時に、「精密で素晴らしい内分泌の機能を、自分たちが生みだした化学物質や環境ホルモンによって脅かしている」など、環境や社会の問題も見えてきます。
「あやふやな理解で終わらせようとしたこともあったが、どうしても諦められなかった。諦めずに理解することの楽しさを感じた」。グループで徹底的に調べ、考えたことをレポートや発表にまとめ、伝える力を身に付けます。

命の対等と平等を学ぶ「生命活動」の取り組み

生命活動の学習は「健康な人間の生命活動をつくりなす身体のしくみとはたらきを、生命誕生と進化の過程を踏まえて学び、人間を科学的に理解すること」を目標とし2年次の始めに学んでいきます。春休みには課題図書として「生命150億年の旅」を読み進化の過程、人類誕生についての知識を深めます。クラスで課題図書の学びを交流し、VTRの視聴、講義をとおして「生命の進歩と人類の発展」「いのちの対等・平等」についてさらに学びを深めます。
その後8つの系「人間誕生」「循環器系」「呼吸器系」「脳神経系」「消化器系」「骨・筋系」「内分泌系」「免疫系」に分け、グループワークを中心に学びを進めます。各系それぞれが発生から学び、器官、臓器の構造や働きを細胞レベルまで紐解き、私たちの身体の巧みさ、素晴らしさを学んでいきます。
グループワークではメンバー全員が「わかった」となるまで、教科書だけでなくさまざまな文献を読みこなし、メンバー間で教えあいます。生命活動の学びは自分たちの疑問から出発し、その疑問をひとつひとつ解決していくことで、学ぶ楽しさを実感しこれまでの暗記型の学習から、自分の知識としての学習へと学び方を獲得することも目標の1つとなっています。教員も一緒に学びあい、わかる喜びや学ぶ楽しさを実感し、改めて生命活動の巧みさ、素晴らしさを学んでいます。

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細胞の連携プレーで身体の平和を守る
~見えざるヒーローたち~


「免疫系」は「難しい…」が先行してしまう学びの一つです。しかし、「免疫って難しい」と言っていた学生たちが、特異的免疫機構や非特異的免疫機構について、自分たちで文献を読み、一つ一つの言葉を理解し、言葉や図にまとめ、楽しそうに学ぶ姿に、学びの発展とはこういうことなのかと驚かされました。「身体の平和を護る免疫機能」について私自身の理解も深まり、苦手な生命活動が楽しい時間に変わっていきました。教えてもらうではなく、自分で調べ、理解することで自分の知識になる。理解できたことをみんなに伝え、さらに学びが深まる。わかる喜びや・楽しさを学生の姿から学ぶことのできた生命活動となりました。
毎年行っている生命活動ですが、学生の学びから教員自身が教えてもらっています。細胞レベルまで深め理解することで、いかに自分がこれまで表面的にしか身体の理解をしていなかったのかに気づかされ、科学的に事実をみるということの本質を学生と共に学ぶ貴重な時間となっています。
さらに今年は生命活動での学びを土台に成人Ⅰ実習で「ともに学ぶ健康学習会」を実施しました。自分たちが深めた知識をもとに、「正しい手洗いの大切さ」を伝えた学習会でした。正しい手洗いを行うことで、菌の侵入を防ぐことができ、身近で、簡単かつ大切な感染予防の一つであることを、誰にでもわかるように説明し、楽しく実演しました。参加していただいた患者さんからも「手洗いの大切さがよくわかりました」「普段はこんなに丁寧に手をあらいません。とてもきれいになった。」との言葉をいただき、学生たちも自分たちの学びに確信がもてたのでは…と実感しています。