卒業式

勤医会東葛看護専門学校 看護学科17期生39名は、2014年3月1日に卒業しました。実習では多くの患者さんたちに支えられ、励まされました。また医療スタッフや自分の家族にも支えられて3年間歩み続けることができました。ここでは卒業式で読み上げた「決意表明」を抜粋し、3年間の成長軌跡として紹介します。

『基礎1-1実習では70代男性で脊髄損傷により両下肢麻痺、脳梗塞、糖尿病があり、褥瘡の治療を行なっている患者さんを受け持たせて頂いた際には、患者紹介を聞いただけで、ベッド上の生活・介助が必要・会話が少ない患者さん、という勝手な想像をしてしまいました。しかし、実際はいつも笑顔で腕の力を最大限に利用して生活していました。先入観を持つことで患者さんをありのままに見ることが難しくなることを実感し、事実をありのままに捉えることの大切さを学びました。
2年生の始まりは生命活動でした。循環器グループでは心臓が全身に必要な酸素や栄養を各臓器へと送るポンプの役割を持っていることがわかりました。このポンプ機能が障害されると各臓器へ酸素や栄養の供給が滞ってしまいますが、心臓は急に機能が低下するのではなく心筋が肥大して収縮力を高め、その機能を代償していました。さらに神経系や内分泌系の働きによってもその機能を補おうとしていることがわかりました。はじめはまったく関係ないと思っていた臓器・器官がつながっており、生命活動の巧みさに感動しました。
3年次の研修旅行ではそれぞれ現地の方々の生の声を聴き、北方領土では「故郷に帰りたい」矢臼別では「ふつうに生活したい」という当たり前の願いや権利を奪われ闘っている方がいることを現地に行くことで知り、自分たちの社会に対する無関心さを痛感させられました。現地で見てきたすべてのことは戦争がなければ起きなかったことであり、この問題を風化させず過ちを繰り返さないよう過去の悲惨な歴史や事実を学び、訴えていくことが現地の人たちの思いを受け止めることになると思いました。
3年間の実習を通して看護師不足があることを知りました。看護師不足は歴史の中でも大きな問題となっていました。よい看護を行うために運動を起こし、闘ってきた看護師の闘争がありました。看護師が諦めずに看護して患者さんの可能性を見出していくためには看護体制と労働環境が保障されていなければなりません。現在の日本の社会保障制度は十分な看護・介護を行うには厳しい現状があります。生活保護基準の引き下げや自助自立が謳われ様々な改悪が行われています。憲法25条で保障されている生存権「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」が守られていないと感じました。患者さんのおかれている生活を守るためには政治にも目を向け、矛盾に対して声を上げていく立場なのだとクラス全員で確認しました。
3年間を通して患者さんの人生や生活史を知り、病態をとらえることの大切さを学び、また患者さんの生きる力、人間の発達の可能性を学びました。これらの学びから私たちは患者さんの立場に立ち患者さんと共に成長し、平和と人権を守るため闘い続ける看護師になります。』